ネットワークプランニング編集部

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「学生や主婦のパートは応募が来るのに、平日昼も夜も、長く続けて働いてくれる人がなかなか採れない」——飲食店の店長・オーナーなら、こんなシフトの穴に頭を悩ませたことがあるのではないでしょうか。テスト期間や卒業でごっそり抜ける学生、家庭都合で時間が限られる主婦・主夫。安定した戦力がほしいとき、頼りになるのが長時間・長期で働けるフリーター層です。

ですが、フリーターは「求人を出せば勝手に集まる」わけではありません。学生や主婦とは求めるものが違うため、狙って集めるための訴求設計が必要です。何も考えずに「アルバイト募集」と出しても、フリーターの目には留まりません。

この記事では、東京で20年にわたり飲食・サービス業を中心に求人広告を扱ってきた代理店の視点から、飲食店がフリーターを採用するための求人の出し方を解説します。フリーターが応募先に本当に求めているものを調査データで確認したうえで、シフト量・収入の安定・時給・キャリア面という刺さる訴求ポイントと、原稿の作り方までお伝えします。

この記事でわかること

  • 飲食店がいまフリーター層を狙うべき理由(データで解説)
  • フリーターが応募先に求めている3つのこと
  • フリーターに刺さる訴求ポイント(シフト量・時給・キャリア面)
  • 長く働くフリーターを集める求人原稿の作り方(ビフォーアフター付き)

なぜ今、飲食店の採用でフリーター層を狙うべきなのか

飲食店のシフトを安定させたいなら、フリーター層は最も相性のよいターゲットです。学生や主婦・主夫が「特定の時間帯しか入れない」のに対し、フリーターは平日・土日・昼夜を問わず、まとまった時間を長期で働けるからです。繁忙期やシフトの穴を埋める中心戦力になり得ます。

実際、フリーター採用の最大のメリットとして多くの現場が挙げるのが「時間の融通が利き、長時間・長期で働いてもらえる」点です。1人がしっかりシフトに入ってくれれば、少人数の募集で店が回り、教育コストも分散されます。学生のように卒業で一斉に抜けるリスクも小さく、店のオペレーションを覚えた人材が長く残ってくれます。

飲食店がフリーターを採用するメリット(長時間・長期勤務・シフトの穴を埋める戦力)を示した図解
参考

総務省「労働力調査」の集計によると、15〜34歳の若年フリーター数は2025年に139万人(前年比+3万人)と、なお高い水準にあります。就業意欲がありながら正社員以外の働き方を選んでいる層が一定数存在し、飲食店にとっては貴重な採用ターゲットといえます。(出典:総務省統計局 労働力調査

つまり、フリーターは「数として存在する」うえに「飲食店が求める働き方と噛み合う」層です。問題は、この層に自店の求人を届け、応募したいと思わせる見せ方ができているかどうか。次章では、フリーターが応募先に何を求めているのかを確認します。

フリーターが応募先に本当に求めているものは何か

フリーターを集めるには、まず彼らが仕事に何を求めているかを知る必要があります。学生が「シフトの融通」「テスト期間の配慮」を重視するのに対し、フリーターは「生活を支える収入」を軸に働く先を選ぶ傾向が強いのが特徴です。ここを外すと、いくら求人を出しても響きません。

フリーターが応募先に求める3つのこと(安定収入・シフトの融通・将来の道筋)を示した図解

フリーターが応募先を選ぶうえで重視するのは、大きく次の3点です。①シフト量に見合う安定した収入、②シフトの融通と通いやすさ、③この先のキャリアの道筋です。とくに①は、生活費を賄う必要があるフリーターにとって死活問題で、「週2・3時間だけ」といった細切れの募集では、そもそも候補になりません。

参考

マイナビ「フリーターの意識・就労実態調査(2025年)」によると、若年フリーターの約3割が今後正社員になることを希望しており、その理由として「雇用が安定している」「固定給がほしい」が上位に挙がっています。また同社「アルバイト就業者調査2025」では、応募先を決めた決め手は「応募後すぐに連絡がきた」42.3%が最多、必須条件は「自宅から近い」47.5%・「シフトの融通がきく」45.0%が上位でした。(出典:マイナビキャリアリサーチLab フリーターの意識・就労実態調査2025

注目したいのは、応募の決め手が「時給の高さ」単体ではないという点です。安定した収入・通いやすさ・将来の道筋、そして応募後の対応の速さ——これらを満たす店に人は集まります。裏を返せば、時給だけで勝負しようとするのは筋の悪い戦い方です。

時給だけで釣ろうとする落とし穴

「フリーターは稼ぎたいはず=時給を上げれば来る」と考えがちですが、これは半分しか正しくありません。フリーターが見ているのは「時給×働ける時間=月にいくら稼げるか」です。時給を50円上げても、シフトに十分入れなければ手取りは増えません。時給の数字より、安定して稼げる総額と働き方を示すほうが効果的です。

フリーター層に刺さる3つの訴求ポイント

フリーターが求めるものが分かれば、打ち出すべき訴求も見えてきます。シフト量・時給・キャリア面の3つを、フリーターの目線で「見える化」することが応募増の鍵です。それぞれ具体的に見ていきましょう。

フリーターに刺さる3つの訴求ポイント(シフト量と安定収入・時給の見せ方・キャリアの道筋)を示した図解

①シフト量と収入の安定を「見える化」する

フリーターが最初に知りたいのは「ここで月にいくら稼げるか」です。「時給1,150円」とだけ書くのではなく、「週5日・1日8時間で月収20万円以上も可能」のように、働ける量と稼げる金額をセットで示しましょう。フルタイムで働きたい人に「この店なら生活できる」と伝わることが、応募の第一歩になります。

「たくさんシフトに入りたい人歓迎」「安定して長く働きたい方にぴったり」といった一言を添えるだけでも、学生バイト向けの求人との差別化になります。逆に、細切れシフト前提の書き方だとフリーターは「ここでは食べていけない」と判断して離れてしまいます。

ここがポイント

「時給」ではなく「月収イメージ」で見せるのがコツです。時給×想定シフト=月●万円と具体化すると、生活を支えたいフリーターに一気に現実味が伝わります。

②時給・インセンティブの見せ方を工夫する

時給そのものを大きく上げなくても、見せ方と仕組みで魅力は高められます。たとえば「週4日以上勤務で時給+50円」「土日・繁忙期は時給アップ」「昇給あり(半年ごとに見直し)」など、たくさん・長く働くほど得をする設計にすると、フリーターの「稼ぎたい」ニーズに直接応えられます。

時給の絶対額を上げるより、こうしたインセンティブのほうがコストをコントロールしやすく、狙った層(長時間働ける人)にピンポイントで効きます。なお、時給そのものの考え方については時給を100円上げれば応募は来る?アルバイトが集まらない飲食店の現実で詳しく解説しています。時給を動かす前に読んでおくと判断を誤りません。

③キャリア面(正社員登用・スキル)の道筋を示す

前章のデータどおり、フリーターの約3割は将来的に正社員を希望しています。「正社員登用制度あり」「店長・キッチンリーダーへの昇格実績あり」といったキャリアの道筋は、フリーターにとって大きな決め手になります。「ただのアルバイト先」ではなく「頑張れば正社員・幹部になれる場所」と伝わると、応募の質も定着率も変わります。

調理スキルや接客スキルが身につく、独立を目指す人を応援する、といった成長の要素も響きます。3つの訴求を整理すると、次のようになります。

訴求ポイントフリーターの本音原稿での見せ方の例
①シフト量・安定収入ここで生活できるか週5・フル勤務歓迎/月収20万円以上も可
②時給・インセンティブたくさん働くほど得したい週4以上で時給+50円/昇給あり
③キャリアの道筋この先どうなれるか正社員登用あり/店長昇格の実績

【相談事例】フリーター採用に切り替えて長期戦力を確保した居酒屋

ここで、私たちが実際にご相談を受けたケースをご紹介します。学生アルバイト中心の体制に限界を感じていた、ある居酒屋の店長の例です。

学生中心の体制からフリーター採用への切り替えを求人広告代理店に相談する居酒屋店長のイラスト

学生バイトは集まるんですが、テスト期間や長期休みで一気に抜けて、繁忙期に人が足りません。長く多く働いてくれる人がほしいのに、求人を出しても学生ばかり応募してくる状態で……。

求人原稿を拝見すると、タイトルは「ホールスタッフ募集・未経験歓迎」、条件は「週2日・1日3時間〜OK」。完全に学生・かけもち向けの見せ方になっていました。フルタイムで働きたいフリーターからすると「ここは短時間バイトの店だ」と映り、そもそも候補に入っていなかったのです。

ターゲットをフリーターに絞りましょう。『週5・フル勤務歓迎』『月収20万円以上可』『正社員登用あり』を前面に出し、長く安定して働きたい人へのメッセージに書き換えます。

そこで、時給は据え置いたまま、タイトルを「週5・フル歓迎/月収20万円以上可/正社員登用ありの居酒屋スタッフ」に変更。本文でも「安定して長く働きたい方歓迎」「頑張り次第で店長も目指せる」と、フリーター層に向けたメッセージを明確にしました。すると、掲載から3週間でフルタイム希望者から5件の応募があり、2名が長期戦力として定着。繁忙期のシフトの穴が解消されました。

この事例の教訓

応募者の顔ぶれは、求人の「見せ方」で決まります。学生向けの書き方をしていれば学生が、フリーター向けの書き方をすればフリーターが集まります。誰に来てほしいかを決め、その人に向けたメッセージに徹することが、狙った人材を採る近道です。

フリーター向け求人の出し方・原稿の作り方

「誰でもいいから来てほしい」という求人には、誰も強く反応しません。フリーターを採りたいなら、フリーターだけに向けた原稿を作ることが大切です。ありがちな原稿と、フリーター向けに書き換えた原稿を比べてみましょう。

学生向け原稿とフリーター向け原稿のビフォーアフター比較図解

ありがちな原稿(学生が集まる)

  • タイトル:「ホールスタッフ募集・未経験歓迎」
  • 条件:「週2日・1日3時間〜OK」
  • 訴求:シフトの融通のみ
  • 収入:「時給1,150円」とだけ記載
  • 将来:記載なし

書き換え後(フリーターが集まる)

  • タイトル:「週5・フル歓迎/月収20万円可/正社員登用あり」
  • 条件:「週4〜5日/フルタイム歓迎」
  • 訴求:安定収入・長期・キャリア
  • 収入:「月収20万円以上も可/週4以上で時給+50円」
  • 将来:「正社員登用あり・店長昇格実績あり」

ポイントは、時給をいじらず「誰に・何を・どう見せるか」を変えただけ、という点です。この書き換えは、次の手順で誰でも進められます。

来てほしい人を「フリーター」に定める

まず狙う層を「長時間・長期で働けるフリーター」に絞ります。学生も主婦も、という欲張りな原稿は誰にも刺さりません。

その人に響く強みを言葉にする

シフト量・安定収入・昇給・正社員登用など、フリーターが重視する要素を洗い出し、重要な順に並べます。

タイトルと媒体に反映する

強みをタイトルの先頭に置き、フリーターが多く見る媒体(Indeed・求人ボックス・総合求人サイト等)へ出稿します。写真も長く働くスタッフの様子に差し替えます。

応募後すぐに連絡する体制を整える

決め手の1位は「応募後すぐの連絡」。当日〜翌日に一次連絡を返す体制をつくり、他店に流れる前に面接へつなげます。

どの媒体にどう出すかで迷う場合や、そもそも応募が来ない原因を幅広く点検したい場合は、飲食店のアルバイト求人に応募が来ない!店長目線で考える10の原因もあわせてご覧ください。ターゲット設定を含む10の原因を店長目線で整理しています。

フリーター採用でよくある失敗と回避策

フリーター採用は相性のよい打ち手ですが、進め方を誤ると「採ったのにすぐ辞める」「思ったより来ない」となりがちです。よくある3つの失敗を、先回りして押さえておきましょう。

フリーター採用でありがちな3つの失敗

①「フリーター=掛け持ち・すぐ辞める」と決めつけて雑に扱う/②「正社員登用あり」と書くだけで実際には登用実績も基準もない/③学生・主婦・フリーターを1つの原稿でまとめて募集し、結局誰にも刺さらない——この3つは、応募減や早期離職に直結します。

①については、フリーターこそ「長く働ける環境」を求めています。シフトを一方的に削る、雑用ばかり任せるといった扱いをすれば、当然すぐ離れます。長期戦力として尊重し、任せる仕事や役割を用意することが定着につながります。②の正社員登用は、実態が伴って初めて武器になります。「過去に登用実績あり」など具体的に書ける範囲で誠実に打ち出しましょう。

  • フリーターを長期戦力として扱い、役割・裁量を用意しているか
  • 「正社員登用あり」は実態(登用実績・基準)が伴っているか
  • ターゲットごとに原稿を分け、フリーター専用の見せ方をしているか
  • 月収イメージ・昇給・キャリアの道筋を具体的に書いているか
  • 応募に当日〜翌日で連絡できる体制があるか

これらを押さえるだけで、フリーター採用の成功率は大きく変わります。採って終わりではなく、長く働いてもらう前提で環境を整えることが、結果的に採用コストの削減にもつながります。

飲食店のフリーター採用に関するよくある質問

Qフリーターは掛け持ちですぐ辞めませんか?

A

掛け持ちをするのは、1店舗で十分なシフト・収入を得られないことが理由のケースが多いです。逆に「週5・フル勤務歓迎」「安定して稼げる」と示し、長期戦力として役割を用意すれば、1店に腰を据えて長く働いてもらいやすくなります。

Qフリーターを集めるにはどの媒体がよいですか?

A

Indeedや求人ボックスなどの検索型媒体、バイトル・マイナビバイトなどの総合求人サイトはフリーター層の利用が多くおすすめです。ただし媒体選び以上に「フリーター向けの原稿になっているか」が重要です。どの媒体が自店に合うかは、業種・エリア・予算で変わるため専門家への相談が確実です。

Q時給を上げないとフリーターは採れませんか?

A

必ずしもそうではありません。フリーターが見るのは「月にいくら稼げるか」です。時給を上げるより、十分なシフト量・月収イメージ・昇給やキャリアの道筋を示すほうが効果的な場合が多くあります。時給の考え方は関連記事もご参照ください。

Q正社員登用制度がないと不利ですか?

A

登用制度がなくても、スキルが身につく・任される役割が増える・独立を応援するなど、成長の道筋を示せれば十分に訴求できます。無理に「正社員登用あり」と書くより、自店で本当に提供できる将来像を誠実に伝えることが信頼につながります。

飲食店でフリーターを採用するには、「誰でも歓迎」ではなく、長時間・長期で働けるフリーター層に狙いを定め、その人が求めるものを見える化することが近道です。

  • フリーターは長時間・長期で働ける貴重な戦力。学生・主婦とは求めるものが違う
  • 刺さる訴求は「シフト量と安定収入」「時給・昇給の見せ方」「正社員登用などキャリアの道筋」の3つ
  • 時給は据え置いたままでも、ターゲットを絞った原稿の書き換えでフリーターの応募は増やせる

「学生ばかりで長期戦力が採れない」「フリーター向けにどう書けばいいか分からない」——そんなときは、飲食・サービス業の採用支援を強みとする求人広告代理店にご相談ください。ネットワークプランニングは、御店の採用ターゲットと予算に合わせて、フリーター層に刺さる媒体選び・原稿づくりまでまとめてご提案します。

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